最近売れている本はわかりやすく、読みやすく、そして面白い。「お金2.0」や「日本再興戦略」はとても楽しく読んだし、感銘を受けました。
世界で一番読まれている本はなにか?
答えは「聖書」です。
昔からあって、今も残っている芸術には理由があります。歌舞伎、落語、バレエなどがなくならないのは「見に来る人がいる」からではなく「人間に必要な文化」だから。
あなたが今読んでいる本の作者は、死ぬほど昔の本を読んでいます。あなたが今聞いてる音楽の作曲者は、死ぬほど昔の音楽を聞いています。あなたが今見ている映画の監督は、死ぬほど昔の映画を見ています。
ものぐさ精神分析・パンツをはいたサル・エロティシズム
30歳を越えてむくむくと湧き上がってきたのは知的欲求。その中でどっぷりハマった3冊の本があります。
ものぐさ精神分析(岸田秀1976年)
「人間は本能の壊れた動物である」
精神分析医・エッセイストの岸田秀の著書。岸田先生は自身のうつ病を自己分析で治療し、原因は母親にあるとわかった時には母親は他界してたそうです。
本書はフロイドを源流にし、全ては幻であるという「唯幻論」を唱えたことで有名になりました。当時の心理学部の学生の間では「全部幻だよ」という言葉が流行したとか。
他にも「性倒錯」「擬人論」「心理学者の解説はなぜつまらないか」など、フロイドを日本的に昇華させた解釈がとても面白いです。
パンツをはいたサル(栗本慎一郎1981年)
「ものぐさ精神分析」がフロイドなら、こちらはバタイユに立脚しています。
「過剰蕩尽理論」や「ポトラッチ」を知ってから、映画「マッドマックス 怒りのデスロード」を見ると味わいが変わります。あと、なんで田舎の葬式や祭りや結婚式はあんなに派手なのかとか。
「支配者階級が圧倒的な富を見せつけて、富を再分配して、人を支配する」というやり方は昔からあります。
エロティシズム(澁澤龍彦1984年)
希代の変態(褒めてます)澁澤龍彦の代表作。
タイトルのとおり、フロイドイズムを拡大解釈することもなく、ひたすらにエロティシズムの話が続きます。「フェティシズム」「処女哲学」「異常と正常」等々。 30代で読んで本当によかったと思います。まあ、10代だと読もうとも思わなかっただろうけど。
ものぐさ精神分析他感想まとめ
読んでも全然わからないという経験も大事です。
10代でわからなくて、20代で読んだらすっと入ってきて、30代で読んだらわかるわかる、わかりすぎるぜという本も、たくさんあります。
お前まじで前世で兄弟だった?っていうくらいしっくりくる作家が、きっとあなたにもいるはず。
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