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柳家喜多八という落語家がいました。

柳家喜多八さんが5月に亡くなった。

 

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◇ 本名:林 寛史(はやし ひろふみ)
◇ 生年月日:昭和24年10月14日
◇ 出身地:東京都練馬区
◇ 出身大学:学習院大学
◇ 出囃子:梅の栄
◇ 紋:三ツ柏

平成28年5月17日永眠。享年66。

引用 プロフィール| 柳家喜多八 | 日本コロムビアオフィシャルサイト

 

 

落語にハマる

Rakugo

2015年。

 

35歳の時に落語に興味をもって、YouTubeで検索して見まくった。特に印象に残ったのは、ご存知立川談志の「芝浜」。おお、落語やばいな、すげえなと思った。

 

その後も、平成の天才「春風亭一之輔」、笑点司会の「先代三遊亭円楽」、ガッテンでおなじみ「立川志の輔」。どんどんハマっていった。

 

その中でひときわ地味なルックスで、だるそうにまくらを話す落語家がいた。

 

それが柳家喜多八さんだった。

 

 

 

居残り佐平次

Sake

学習院大学卒の通称「殿下」。どの話をやっても、どことなく品がある。

 

「らくだ」「死神」「二番煎じ」「あくび指南」「五人廻し」

 

繰り返し何回も何回も聞いた。

 

その中でも一番すげえと思ったのが「居残り佐平次」だった。

 

「居残り佐平次」あらすじ

右を向いても左を向いても貧乏人が集まったとある長屋。その輪にいた佐平次という男が「品川宿にある遊郭に繰り出そう」と言い出した。金もないのにどうやって?と思いながらも一同、品川へ。 一泊して後、佐平次は「実は結核に罹って医者から転地療養を勧められていた。だからここに残る」と言い出し、ほかの仲間を帰した。 その後若い衆に「勘定はさっきの仲間が持ってくる」といい居続け。翌日も「勘定勘定って、実にかんじょう(感情)に悪いよ」とごまかし、その翌日も居続け、しびれを切らした若い衆に、「あいつらなんて知らないよ」「金?持ってないよ」と宣言。店の帳場は騒然。 佐平次少しも応えず、みずから店の布団部屋に篭城した。

やがて夜が来て店は忙しくなり、店は居残りどころではなくなった。佐平次頃合を見計らい、(勝手に)客の座敷に上がりこみ、 「どうも居残りです。醤油もってきました」 「居残りがなんで接待してんだよ・・ってやけに甘いな、このしたじ(醤油)」 「そりゃあ、蕎麦のつゆですから」 「おいおい・・・」 などと自分から客をあしらい始め、幇間踊りなど客の接待を始めた。 それが玄人はだしであり、しかも若い衆より上手かったから客から「居残りはまだか」と指名がくる始末。これでは彼らの立場がない。 「勘定はいらない。あいつに出て行ってもらおう」となった。

佐平次は店の店主に呼び出され、「勘定はもういいから帰れ」といわれ追い出された。しかもその折に店主から金や煙草をせびり、もらっていく始末。 心配でついてきた若い衆に、 「てめえんとこの店主はいい奴だがばかだ。覚えておけ、俺の名は遊郭の居残りを職業にしている佐平次ってんだ、ガハハハ・・・」と捨て台詞を残して去っていった。 若い衆は急いで店主に報告する。すべてを知り、激怒する店主。 「ひどいやつだ。あたしの事をおこわにかけやがったな」 そこで、若い衆が一言。 「旦那の頭がごま塩ですから・・・」 

引用:居残り佐平次 - Wikipedia

 

 

渋谷らくご

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2016年。

 

この人の高座をどうしても見たいと思って、たどり着いたイベントが「渋谷らくご」

渋谷のユーロスペースでやっているイベントで、それに喜多八さんが出ると知って、チケットを買った。

 

初めて喜多八さんの落語が見れる。その日を楽しみにして何日も過ごした。

 

 

渋谷らくご当日

Shibuya

 渋谷らくご当日。喜多八さんの体調が最近あまり優れないというのは知っていた。

 

喜多八さんは弟子の肩を借りながら登場した。

 

まくらが始まって、ああ、本物だ、いい声だな、色気あるな、思ったより若く見えるな、とか、いろいろ思った。

 

まくらが終わった瞬間に震えた。

 

「居残り佐平次」だ。

 

叫んだ(心の中で)。うおおおおお!!

 

まじかよ。ラッキーだ。超ラッキーだよ俺。

 

床を叩く音ってこんなにでかいのか。いい声してんなあ。女演じてる時マジで女に見えるなあ。色っぽいなあ。

 

夢中になって見た。変幻自在。落語ってこんなにすげえのか。

 

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(当日の写真)

 

 

訃報

Morning Color

渋谷らくごが終わって、喜多八さんについて調べたら、独演会があることを知ったので、絶対行こうと思っていた。

 

その矢先。

突然の訃報。

 

力が抜けた。せっかくすげえ好きな落語家見つけたのに。

 

 

その後

心底好きになれる落語家を、いまだに見つけられずにいる。一発目の落語との出会いが良すぎた。

 

今日も「居残り佐平次」を聞きながら、酒を飲んでいる。