試験直前の確認などにお役立てください。
発音記号
【鼻音】
[m] マミムメモ
[n] ナヌネノ
[ɲ] ニ ニャ ニュ ニョ
[ŋ] ガギグゲゴ (鼻濁音)
[N] ン(語末)
【破裂音】
[p] パピプペポ
[t] タテト
[k] カキクケコ
[b] バビブベボ
[d] ダデド
[ɡ] ガギグゲゴ(鼻濁音でない)
【摩擦音】
[ɸ] フ ファ フェ フォ
[s] サスセソ スィ
[ɕ] シ シャ シュ ショ
[h] ハヘホ
[ç] ヒ ヒャ ヒュ ヒョ
[β] 摩擦音化したバ行
[z] ザ ズ ゼ ゾ ズィ
[ʑ] ジ ジャ ジュ ジョ
[ʝ] 日本語なし
【破擦音】
[ʦ] ツ
[ʨ] チ チャ チュ チョ
[ʣ] 語頭の ザズゼゾ
[ʥ] 語頭の ジ ジャ ジュ ジョ
【弾き音】
[ ɾ ] ラリルレロ
【接近音(半母音) 】
[ j ] ヤユヨ
[w] ワ
【ハ行】
ハ ヒ フ ヘ ホ [h] [ç] [ɸ] [h] [h]
【タ行】
タ チ ツ テ ト [t] [ʨ] [ʦ] [t] [t]
【ダ行】
ダ ヂ ヅ デ ド [d] [ʑ] [ʣ] [d] [d] 促音撥音の直後以外の語中
ダ ヂ ヅ デ ド [d] [ʥ] [z] [d] [d] 語頭または促音撥音の直後
CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠組み)
2001年に欧州評議会が発表。基本理念は「概念機能シラバス」。ELP(ヨーロッパ言語ポートフォリオ)を元に作られた。他言語主義ではなく、複言語主義。6段階で評価。
A1(基礎ユーザー - 初級1): 基本的な日常表現や非常に簡単なやりとりができる。
A2(基礎ユーザー - 初級2): 簡単な会話や短い文章を理解し、基本的なやりとりができる。
B1(自立ユーザー - 中級1): 日常生活でよくある状況での標準的なやりとりができる。
B2(自立ユーザー - 中級2): 抽象的な話題や専門的な話題について、明確かつ詳細に議論できる。
C1(熟達ユーザー - 上級1): 幅広いトピックについて流暢にかつ自然に表現できる。
C2(熟達ユーザー - 上級2): ほぼ全ての場面での高度な言語運用が可能で、複雑な話題についても精密に理解・表現できる。
JLPT(日本語能力試験)
世界85カ国で実施。日本での主催は日本国際教育支援会。その他の国は国際交流基金。日本語母語話者は受験できない。
認定レベルはN1〜N5の五段階。N1が一番むずい。年二回実施。N1およびN2合格で、高度人材ポイントをゲットできる。
JFT-Basic
日本国内での生活の場面で求められる日本語のコミュニケーション能力を測定するテスト。2019年4月に、国際交流基金が始めた。 年6回実施。
国際交流基金(JF)
世界の全地域で総合的に国際文化交流事業を実施する日本で唯一の専門機関。「文化」「言語」「対話」を通じて日本と世界をつなぐ場を作り、人々の間に共感や信頼、好意を育成する。
日本語教育の歴史
留学生受け入れ10万人計画:1983年発表。2003年に10万人を超えた。
留学生30万人計画 :2008年文部科学省が策定。ドイツやフランスのように、全学生の一割強を留学生が占める状態を目指す。
技能実習制度:2008年の入管法改正で、技能実習を行うものに対して、労働基準法が適用されるようになった。2024年に廃止され、新制度「育成就労」を新設する出入国管理法などの改正案が閣議決定された。
国別学習者数
1位 中国
2位 インドネシア
3位 韓国
語用論
特定のコンテクスト(文脈・状況)の中での発話の解釈。プラグマティック。
例えば「時計持ってますか?」と言われて、時間を聞いているのかなと推測すること。
4つの公理
量の公理:必要な量の情報を提供する
質の公理:嘘を言わない
関係の公理:状況と関連していることだけを言う
様式の公理:簡潔に順序立てて話す
発話の含意:発話者が伝えようとした意図
ポライトネス:配慮
ポライトネスストラテジー:どのポライトネスを使うか
語用論的転移(プラグマティックトランスファー):自文化のポライトネスストラテジーをそのまま別文化に持ち込んで、会話がうまく進まないこと。
ポライトネス理論:ブラウン&レビンソン提唱。FTA(Face Threatning Act)でポライトネスを分析。ポジティブフェイスとネガティブフェイスがある。Faceは欲求。
文法体系
ヴォイス:態 使役 受け身 使役受け身 可能 自発 授受表現
テンス:時制 絶対テンス 相対テンス
アスペクト:面 〜かける。〜はじめる。〜終わる。
モダリティ:ムード 〜と思う。〜だろう。
ダイクシス:言葉の意味が発話の状況に大きく依存する表現
比喩
1. メタファー(隠喩):曇った表情 PCが凍った
2. メトニミー(換喩):鍋(の具材)を食べる ショパン(の曲)を聞く
3. シネクドキー(提喩):花見に行く(桜) コーヒーでも飲もう(飲み物)上位概念と下位概念
音読み
呉音:行(ギョウ)行事
漢音:行(コウ)旅行 日本語の音読みで多い
唐音:行(アン)行脚 変な読み方
音訓
重箱読み:音訓読み
湯桶読み:訓音読み
言語類型論(タイポロジー)
膠着語:語幹に接辞がつく 日本語韓国語モンゴル語
屈折語:語そのものが変化 ラテン語ギリシャ語英語
孤立語:語形変化しない 中国語
英語はどれにも当てはまる
SOVタイプ:日本語 韓国語 モンゴル語 トルコ語
SVOタイプ:中国語 タイ語 英語 ドイツ語 フランス語
六書
象形:月 日 口 手
指示:上 下 八
会意:林 明 計(意味の組み合わせ)
形声:景 障 副(意味と音)
転注:楽 令(本来の意味から派生)
仮借:釈迦 亜細亜(意味と関係なく音だけを借りる)
学習観の変遷
1950年代:行動主義 主体が教師
1960年代:認知主義 主体は学習者 教師は支援
1980年代:構成主義 主体は学習者 インターアクション 正統的周辺参加(LPP) 発達の最近接領域(ZPD) スキャフォールディング ピアラーニング
外国語教授法
1. 文法訳読法
とにかく文章を翻訳する。
2. ナチュラルメソッド
文法訳読法への批判(話せるようにはならない)から開発された。
2-1. サイコロジカルメソッド(グアンメソッド)
提唱者はグアン。幼児が思考の順に言葉を使うことに着目した。日本では山口喜一郎が取り入れた。
2-2. ベルリッツメソッド
ベルリッツスクール創始者のベルリッツが提唱。絵カード、レアリア、ジェスチャーなどを使う。教師は訓練を受けたネイティブスピーカー。
3.直接法
3-1. オーラルメソッド
言語学者パーマーが提唱。一次技能「聞く」「話す」を優先。PPP(Presentation Practice Production)文系の導入、基本練習、応用練習。長沼直兄が日本語教育にも導入。
3-2. GDM(Graded Direct Method)
ゲシュタルト心理学を背景にした教授法。簡単なものから難しいものへ、段階を踏んで授業が進む。
4. 行動主義心理学に基づく教授法
4-1. ASTP(アーミーメソッド)
戦争中にアメリカの軍人に行われた、90日間の短期プログラム。
4-2. オーディオリンガルメソッド
アーミーメソッドを改良。パターンプラクティス、ミムメム練習など。フォーカスオンフォームズ(FonFs)
5. コミュニケーションにつながる教授法
5-1. コミュニカティブアプローチ(CA)
機能言語学者のハリデーが提唱。ウィルキンズの概念シラバスと、ハイムズのコミュニカティブコンピデンスが背景。生教材が使用される。フォーカスオンミーニング(FonM)
5-2. タスク中心の教授法
オディオリンガルメソッドとCAを組み合わせて開発。フォーカスオンフォーム(FonF)
5-3. ナチュラルアプローチ
テレルがクラッシェンの5つの仮説を応用して開発。聴解を優先。大量の理解可能なインプット(i+1)を行う。
6. ヒューマニスティックな教授法
6-1. サイレントウェイ
心理学者ガッテーニョが提唱。教師はなるべく沈黙し、そのかわりにサウンドカラーチャートやロッドなど、独特な道具を使う。
6-2. CLL(コミュニティ・ランゲージ・ラーニング)
心理学者カランが提唱。心理療法を応用。教師、生徒、クラスをそれぞれ、カウンセラー、クライアント、コミュニティと呼ぶ。
6-3. TPR(全身反応教授法)
心理学者アッシャーが提唱。ジェスチャーを中心に使う。聴解力の養成が目標。
6-4. サジェストぺディア
精神科医ロザノフが提唱。暗示学を応用。とにかくリラックスできる環境で行われる。
コースデザイン
どのように教育していくかを決めるのがコースデザイン。
1. ニーズ・レディネス
学習者に関する情報の収集をレディネス調査、学習目的の調査をニーズ調査という。レディネス調査するためにプレースメントテストが行われる。
2. 目標言語調査・目標言語使用調査
目標言語調査:母語話者が使用する具体的な言語表現やパターンを調べるもの
目標言語使用調査:非母語話者が学習中にどのような言語表現やストラテジーを使っているか。
3. シラバスデザイン
構造シラバス:文法・文型・語彙
場面シラバス:各場面でのコミュニケーション
機能シラバス:依頼・同意・提案など
話題(トピック)シラバス:それぞれの話題で使う単語
技能(スキル)シラバス:読む聞く話す書くの4技能
課題(タスク)シラバス:課題を達成する
先行シラバス:先に決める
後攻シラバス:終わった時に決まる
プロセスシラバス:上記の二つの間
4. カリキュラムデザイン
①到達目標
②時間割
③シラバスの配列
④教授法
⑤教材・教具
⑥教員
テストの種類
1. プレースメントテスト
組分けテスト。学習者の実力を測りクラス分けする。
2. アチーブメントテスト
到達度テスト。一定期間における到達状況を把握。
3. プロフィシエンシーテスト
熟達度テスト。受験者が今どれくらいの実力なのかを測る。
良いテストの条件
妥当性:そのテストの目的を的確に捉えているか。内容妥当性、基準関連妥当性、構成概念的妥当性の3つがある。
信頼性:同じ条件下で安定して同じ結果が得られるかどうか。
有用性:テストが実施しやすいかどうか。
真正性:オーセンティシティ。現実的な内容であるか。
誤用訂正
明示的訂正
暗示的訂正(リキャスト):「暑いでした。」「暑かったですね。」
ジョハリの窓
異文化適応
エンパシー:共感
アサーティブコミュニケーション:自分も相手も大事に 相互尊重
エポケー:判断保留
アノミー:混沌状態
アノミーをエポケーで一時的に回避する
ICT
インフォメーション&コミュニケーション テクノロジー
コーパス:実際に使用された言語資料のデータベース
デジタルデバイド:ITリテラシーの違いで生まれる情報格差
アフォーダンス:物体そのものがユーザーに使い方を発信(iPhoneなど)
ユビキタス:いつでもどこでも誰でも情報を得たり発信したりできると言う概念
【教育分野】
オートノマスラーニング:自立学習
タンデムラーニング:ネットで繋がってお互いの母語を教え合う
コラボレイティブラーニング:協働学習
ブレンデッドラーニング:eラーニングと対面授業を組み合わせる
CAI(conputer assisted instruction):コンピュータを使った学習用ソフトウェア
CALL:CAIの中に含まれる。語学学習用ソフトウェア
WBT(Web based training):ネットを活用した教育
ミステイクとエラー
語用論的転移(プラグマティックトランスファー)の例
正「コーヒーいかがですか?」
誤「コーヒー飲みたいですか?」(Would you like to drink a cup of tea?)
ミステイク:不注意からくる言い間違い
グローバルエラー:コミュニケーションに支障をきたす
ローカルエラー:コミュニケーショに支障はない
言語間エラー:第一言語と第二言語の差異からくる(薬を食べる など)
言語内エラー:学習が不完全
有標差異仮説:エックマンが提唱。第一言語と第二言語の間で異なる部分があり、第二言語の方が複雑な場合、学習が困難になるという説。
学習の動機付け
統合的動機付け:目標言語の社会や文化へ参加したい
道具的動機付け:習得することで実益を得たい
内発的動機付け:学習そのものが楽しい
外発的動機付け:ほめられたい
学習ストラテジー
【直接ストラテジー】
記憶ストラテジー:情報の記憶や想起
認知ストラテジー:学習に使う実用的なもの(線を引くなど)
補償ストラテジー:言語知識不足を補う
【間接ストラテジー】
メタ認知ストラテジー:学習過程を調整(学習目標を設定したりする)
情意ストラテジー:情緒をコントロール
社会的ストラテジー:環境や周りの人を取り込む
学習方法
明示的学習:ルールを理解して取り入れる(演繹的)
暗示的学習:実際の使用言語に触れてから構造を身につける(帰納的)
クラッシェンのモニターモデル
- 習得学習仮説
- 自然順序仮説
- モニター仮説
- インプット仮説
- 情意フィルター仮説
※ナチュラルアプローチの元になった
インターアクション仮説
他者との会話により言語習得が促進される
アウトプット仮説
スウェイン提唱。インプットだけでなくアウトプットすることで、言語能力が向上する。
ノンバーバル・コミュニケーション
非言語的伝達手段
エンブレム:語彙の代用(首を縦に振るなど)
イラストレーター:内容をはっきりさせるために動作で示す(おおきさなど)
コミュニケーションコンピテンス
コミュニケーション能力。ハイムズ提唱。4つから成る。
- 文法能力
- 社会言語学的能力
- ストラテジー能力
- 談話能力
ペリーの文化変容モデル
21世紀の外国語学習スタンダーズ
【5C】
- コミュニケーション
- 文化
- 関連付け
- 比較
- コミュニティ
【3つのP】
- Perspectives(考え方・見方)価値観・態度
- Practices(行動様式)いつどこで何をするか
- Products(社会の産物)
言語計画
- 席次計画:使用言語の中から主要な言語を選び順位付け
- 実体計画:剪定した言語の辞書などの作成
- 普及計画:普及させる
言語接触
ピジン:異なる言語を使う人たちが作る人工的な補助言語。書き言葉はない。
クレオール:ピジンが共通の言語になった物。
ダイグロシア:一つの社会で二つ以上の言語変種が共存。三つ以上はポリグロシア。
リンガフランカ:国や民族を超えた共通語。現代では英語が最も広く話されている。
異文化接触
ニューカマー:1970年代以降に日本に来た外国人
c(スモールシー)文化:見えない文化、低い文化(立ち振る舞い、時間感覚、考え方)
C(ラージシー)文化:見える文化、高文化(文学、絵画、衣服、建築)
アコモデーション理論:目標言語集団に入り込んだ方が言語習得は促進される
日本語教育の歴史・現状
国内の日本語学習者数:219,808人
日本語教育実施機関・施設の数:2,764
日本語教師などの数:44,030人 (2022年11月1日時点)
1983年留学生受入れ10万人化計画
2008年留学生30万人化計画
やさしい日本語:阪神淡路大震災を受けて作られた。外国人向け防災マニュアルなどで活用
海外の日本語教育事情
海外の日本語学習者数:約379万人
日本語教育機関:18,272機関
日本語教師数:74,592人
日本語学習者数上位3カ国:1位中国 2位インドネシア 3位韓国
(2021年時点)
韓国では中等教育で教えられる
日本語教育関連機関
国際交流基金(JF):JF日本語教育スタンダードの公表、海外における日本語能力試験の実施
日本国際教育支援協会(JEES):国内の日本語能力試験、日本語教育能力検定試験の実施
日本学生支援機構(JASSO):2004年設立。日本留学試験を実施。
海外の日本語教育歴史
台湾:日本の植民地下で伊沢修二が教育を開始。その後、山口喜一郎がグアンメソッドで日本語教育を行った。
朝鮮半島:1891年、岡倉由三郎が日語学堂で開始。1906年に日本語が必修となる。
中国:満州国で教育が開始。大出正篤により速成式(中国語を一切使わない方法)で教えられた。
参考書にした本
赤本
日本語教育教科書 日本語教育能力検定試験 完全攻略ガイド 第5版 新品価格 |
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