
40代になって、ふと自分の心と身体がバラバラになっていることに気づきました。眠れない夜が続き、頭の中はモヤモヤした思考でいっぱいでした。おそらく自律神経がズタズタだったんだと思います。 そんな時、偶然にも空海の教えに触れる機会がありました。
「慈悲」と「足るを知る」という言葉は、どこか遠い世界の話のように感じていましたが、何かが心に引っかかりました。 そして、毎朝の10分の瞑想を始めてみたんです。最初は全くうまくできませんでした。
しかし続けるうちに、不思議と頭の中が少しずつ整理されていきました。 特に印象的だったのは「感情をただの感情としてラベリングする」という考え方です。怒りや苦しみが襲ってきた時、それを「怒り」という感情として名前をつける。そうすることで、その感情を客観的に眺めることができるんです。
感情は確かに存在しますが、自分そのものではないと気づいた瞬間でした。
人の心は本来穏やかなもので、感情はその心を波立たせる波のようなものです。しかし、その波はいつか必ず静まります。だからこそ、感情に振り回される必要はありません。 こうした気づきを深めていく中で、 「過去は変えられない。未来はまだ来ていない。だから今を生きることが大切。」 ということにも改めて気づきました。
心を整えて余白をつくることができるようになると、驚くことに、人間関係や環境も自然と良い方向へ動き出しました。
40代は仕事や将来のことを考えると不安になることも多いと思います。 でも、「足るを知る」こと、そして湧き上がってきた「慈悲の心」を持つことで、自分自身の揺らぎを受け入れられるようになりました。 慈悲はまず自分に向けて。人に優しくするのは、その後です。 完璧である必要はありません。むしろ不完全だからこそ味わえる穏やかさがあるんです。