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オサナイユウタのZAREGOTO vol.003【上京してから現在までの話】

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東京に来たのは2006年の夏。当時バンド結成6年目。上京する前の1年間、札幌から月1で東京に通っていたから、そこそこ東京のことを知ってる気になっていた。

 

 

 

とにかく暑い

3合炊きの炊飯器とギターだけ持って上京してきた26歳。その足で札幌時代から所属していた青山にある事務所に向かう。すでにツアーが決まっていたので、家は借りずにその事務所の会議室に寝泊まりした。ツアーの合間に代々木のスタジオNOAHまで歩いて通った。もう一度言うが季節は真夏。金もないし、最初は風呂なしのアパートでもいいかなあとぼんやり考えていたけど、その幻想はサクッと消えた。絶対風呂がある部屋じゃないとダメだ。

 

ツアーも終わり、結局荻窪に家を借りた。6畳1ルーム、家賃6万。札幌市東区でロフト付きの19,000円の部屋に住んでいた身からすると激高だ。でもしょうがない。これが東京なんだろう。今考えるとまあ妥当な値段なんだけど。

 

 

1年くらいフラフラやろう

東京に慣れるために1年くらいフラフラとバイトしながらバンドもやっていこうと思っていたんだけど、そうは問屋が卸さない。そりゃそうだ。事務所に所属して給料も小遣い程度だけどもらっていたんだから。なんやかんやでミニアルバムを1枚作ったけど、今聞くとひどいもんだ。心理状態は音に全て現れる。

 

 

2008年

結局怒涛の2年くらいの期間を経て、2008年にフルアルバムをリリースすることになる。がっつり音楽業界に浸かって制作した。バイト中に吐きながら曲順を考えたり歌詞を推敲したりもした。

 

10年経つと冷静に考えられる。このアルバムが「商業音楽を作れるロックバンド」としてのピークだったんだろう。だからこそ今、リスナーとして聞いても、いいアルバムだと思う。

 

 

2019年

売れ続けてる奴もいるし、バンドを辞めた奴もいるし、変わらずバイトしながらやってる奴もいる。好きにやりゃあいい。音楽は人生において絶対的に必要なもんだ。そして売れようが売れまいが、演奏してる方が絶対に楽しい。すまんね。これを感じられるのは音楽に人生を捧げたクソ馬鹿野郎の特権だ。次点で音楽に合わせて踊れる人。これは地味に結構羨ましい。

 

誰も見てないところで音楽が生活の一部になってる人は、素晴らしい人生だ。誰に言う必要もないし、言ったらもったいないとすら思う。

 

 

年の瀬

年の瀬にこんな話を書いてしまったけど、なんとなく書きたくなってしまったからしょうがない。2020年は40歳になる。バンドは完全に道楽として楽しくやりながら、色々な仕事をしている。マーケティング視点なんてモノも持ち合わせてしまった。その視点で言うと、今音楽業界には金が集まっていない。ロックバンドなんかその中でも流行ってないジャンルの極点だ。だから相当に飛び抜けた才能と運がないと、令和にバンドだけで食ってくのは相当に難しい。それでもロックに打ち抜かれた若い奴らが頑張ってるのは嫌いじゃない。

 

健康で。良いお年を。

 

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